特殊清掃人

読んだ本

中山七里さんの『特殊清掃人』を読みました。
中山さんの小説は『人面島』以来です。最近ですね(笑)。

人面島
中山七里さんの『人面島』を読みました。昨日の『人面瘡探偵』の続編です。 昨日の『人面瘡探偵』も表紙が怖いんですが、今回の『人面島』も怖いです。身投げしてます。よく見ると、全体的に顔。雲? も顔?よく見られない。怖い。小学校の時やった FC ...

今回は Kindle Unlimited で読んだんですが、
最近は中山さんの小説がいっぱいあってすごく嬉しいです。
時間はかかるだろうけど、中山さんの小説制覇したいです。

今回の『特殊清掃人』は、
知っている人が見ればピンとくる『特殊清掃』の話です。
特殊な清掃というのは、
例えば人が亡くなってしばらく経ってから
発見されてしまった現場の清掃などです。
部屋に散らかったゴミを片付けるだけでなく、
遺体が発見される前に湧いてしまったハエやウジなどの除去、
遺体の体液が染み込んでしまったフローリングの撤去など
普通に暮らしている場合にはめったにお目にかからないような
状況でのお仕事です。

私自身はそのような状況に遭遇したことはありません。
ただ、15年以上前に『特殊清掃「戦う男たち」』という
ブログをよく読んでいました。
会社の先輩に教えてもらったんですが、
なかなかに壮絶な話が多く、
更に管理人の『特掃隊長』さんの文章が淡々としていて
なんかすごいなって…。
当時はかなり頻繁に更新されていたので、
読むのがほぼ日課になっていました。
今回の小説も、それを思い出しながら読んでいました。

『特殊清掃人』は4つの章立てです。
主人公たちは3人。
一人目の秋廣香澄は前職の事務機メーカーが倒産し、
高給に惹かれて最近勤めだした女性です。
二人目は五百旗頭亘、香澄さんの上司にあたり、
特殊清掃の会社『エンドクリーナー』の代表。
何やら懐が深いというか、すべてを見せていないというか、
不思議な感じのする男性です。
のちに、この会社を立ち上げる前は
警察官をしていたということがわかります。
最後の一人は白井寛。
香澄さんより1年前に『エンドクリーナー』に入った
香澄さんより年下の20代男性です。
仕事の大変さからたびたび転職を考えますが、
高給に加えて五百旗頭代表への尊敬の念から
なかなか実行に移せないでいます。

中山さんの小説なので、
もちろん特殊清掃の大変な現状だけをなぞった話ではありません。
いつものような「犯人は誰!?」といった派手さはないんですが、
それでも1つ1つのケースで意外な背景だったりとか
複雑な人間関係が描かれています。
1つ目はアパートの一室で孤独死した女性。
ゴミ屋敷と化した女性の部屋にあったクローゼットの中で
何着かかかっていた男性モノの衣服。
そして、遺体のそばに書かれていた
「みんな滅びろ」の文字。
男性モノの衣服に既視感を覚える香澄さん。
2つ目は40代なかばのベンチャー社長。
独身貴族で社内の女性にも手を出していた男性。
でも、五百旗頭さんは彼が亡くなった状況に
ちょっとした違和感を拭い去れないでいます。
3つ目はホストをやっていた男性。
見積もりで部屋を訪れたとき、白井くんは
この部屋の持ち主だったのが
自分の大学時代のバンド仲間だということに
気付いてしまいます。
4人のバンド仲間の内、ボーカルの女性はデビュー済み。
残りの3人の内、亡くなった男性は芸能界を諦めていませんでした。
そこで白井くんが気付いてしまった『盗作疑惑』。
4つ目は有名な相場師の男性で、彼には3人の娘がいました。
遺言状もきちんと用意されていたのですが、
上の2人の娘のもとにそれとは別の遺言状が届いていました。
どれが本物なのか、どれが有効なのか。

私としては、3つ目の話が一番ぐっときました。
青春時代を一緒に過ごした仲間の特殊清掃、
彼の残した音源、それとそれを託した思い。
まだ死にたくなかっただろうな…と思ってしまいます。

小説の中に
「特殊清掃は住まいに染みついた怨念までを拭い去る仕事。
魂は祓えないが部屋を祓うことはできる」
といった内容のセリフが出てきます。
このセリフで白井くんは五百旗頭さんの元を
去ることができなくなってしまったんですが(笑)、
私もなんかいいセリフ、いい考え方だなと思いました。

私もみんなもいつかは死にますからね。
できれば人に迷惑をかけずにこの世を去りたいですが、
どういう状況になるかは多分選べないし。
こういう職業に従事してくださっている人たちがいると
知っているだけでも少し安心して生活できます。
大変なお仕事ですが本当にありがたいですね…。

Kindle Unlimited で読みました。

さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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