呉勝浩さんの『爆弾』を読みました。
呉さんの小説は初めてです。
この小説、書店にポスターが貼ってあったり、いろんなところで話題になっていたのは知っていたんですが、10月に映画公開と知って「映画公開の前に小説で読みたい」と思って買ってしまいました。
いやーー、読んで良かったですねー!
すっごくおもしろかった!
なんでしょうね、これは。
ある意味での、『創作だから』という安心感と、でも『リアルタイムで事件が進行しているヒリヒリ感』が同時に伝わってきました。
以前読んだ『でっちあげ』は、すごく、すごくおもしろかったんですけど、『実話』だというのを知っていたので、読んでいる最中も辛くて辛くて…。
『でっちあげ』はもうすぐ映画公開ですが、「もう1回この物語を劇場で体験しなければいけないことが辛い」と感じてしまうんですよね…。
綾野剛さん、好きなんですけどね…。
この小説はかなりエンタメ寄りな感じがするので、『辛さ』は感じないかな…と思いました。
だったら見に行きたいな、と今のところ思っています。
…何が違うんですかねー。
完全に『創作』だとわかっているからなんですかね。
今回の内容は、警察官の辛さが伝わってくるな、と思いました。
組織だから勝手に行動することも許されず、なにか起きたら報告書始末書で。
でも、他の人を出し抜かないと出世できなくて…という辛さ。
言い方はとても失礼なんですが、みんなただの公務員にすぎないはずなのに、悪態をつかれながらも市民の命を守らなければいけない。
…私は警察官の方すきなので、常に感謝しているんですけど…。
そう思わない人もたくさんいるわけで。
つらい仕事ですね。
今回、不幸にもいろいろあった倖田ちゃん、これからも警察官続けられますかね…。
つらい仕事ですから、辞めてしまうのも手だとは思いますけど…これからも頑張っていくのであれば、応援したいです。
ただ、長谷部刑事については、もはや『不幸』としか言いようがないというか…。
警官になっていなければ、こんなことを起こさなかったでしょうし、本人もそれを恥じているからこっそり夜中に行っていたんでしょうし。
でも、一般市民で、しかも女性目線からすると、本当に申し訳ないんですが「気持ち悪い」としか言いようがないんですよね…。
本人もやめたいと思っているのにやめられない、こういう場合はメンタルクリニックとかに行けばなんとかなるもんなんでしょうかね…。
本人はとても不幸でしたし、彼の妻子は本当にかわいそうですし、見つけた後輩もかわいそうでした。
不幸しか生み出さなかった一件だったな、という感じでした。
そして、やっぱり今回のメインは『スズキタゴサク』ですね。
彼は結局何者なのか?
今まで不遇な人生を甘んじて受けてきたとは思えないような知能。
この『計画』を、一体どれくらいの時間で完成させたんでしょうか?
そして、それを海千山千の警察官たちの前で『披露』した強心臓。
すごい人間すぎます。
この人は、一体どこから湧き出た人間なんでしょうか?
気持ちが悪いはずなのに、興味が尽きない。
まさにモンスターだなぁ、と思います。
映画のキャストを先に見てしまったんですが、なるほど「いいところ持ってくるなー」という印象でした…!
スズキタゴサクを佐藤二朗さんって…めちゃくちゃすごいです。
ボウズとのことだったので、イメージ的には竹原ピストルさんかななんて思っていたんですけど…、佐藤二朗さんはすごいです。
類家さんの山田裕貴さん、YouTube の予告を見たらなんかしっくりきちゃいましたね!
ちょっと狂気じみている視線なんかがすごく上手で、俄然楽しみになってしまいました。
倖田ちゃんが伊藤沙莉さんっていうのもなかなかいいところ持ってきますねー。
『ミステリと言う勿れ』の風呂光さんのときはちょっと弱気な感じでしたけど、倖田ちゃんは勝ち気な感じですし、また違う女性警官が見られそうで楽しみです。
Kindle で購入したんですが、一番最後に続刊『法廷占拠 爆弾2』の試し読みが付いていたんです。
電子限定特典みたいなんですが。
読み始めて、最後までいかないうちに…買ってしまいましたよ。
まんまと引っかかってしまった(笑)。
仕方ないですよねー。
続き読みたいに決まってるじゃないですかー。
また『スズキタゴサク』とその仲間たち(ではない…か)に会えるなんて、嬉しすぎます。
次巻も楽しみです、本当に。
コメント