横溝正史さんの『殺人鬼』を読みました。
横溝さんの小説は『迷路の花嫁』以来です。

今回は短編集でした。
4つの話が入っていました。
1つ目は表題作『殺人鬼』。
短編だったんですけど、意外と盛り上がる感じの話でした。
そして、今回も『迷路の花嫁』に引き続いて、金田一さんが脇役の話でした。
結末まで読んで、「そんな簡単に自らの命を終わらせてしまっていいのか」とびっくりしましたけど、いろいろ考えた結果がこれだったんでしょうかね。
先日の『迷路の花嫁』同様、人情に厚い人が出てきていて、最後のちょっと切ない感じも似ているなと思いました。
2つ目は『黒蘭姫』。
いわゆる『クレプトマニア』というやつでしょうか。
金田一さんに最後「がんばって治せ」的なことを言われていましたけど、どうなんでしょうか、治るんでしょうか?
しかし、それを逆手に取って利用する人が現れるとは…なかなかの策士ですねぇ。
境遇が違うことを妬む気持ちはわからないでもないですけど、なんとかして昇華させるべきだったんじゃないでしょうかねー。
後は、いつものことですけど、『人を強請る』ということは『自分も命の危機にさらされることになる』ということだと認識しなきゃだめですね。
3つ目は『香水心中』
心中したと思われていた2人の人物の、死亡推定時刻にかなりのズレが有る、という事件。
それを出来上がったいきさつもおもしろかったです。
車が衝突しているその状態から「心中であるはずがない」とわかって、どういうストーリーになるのかワクワクしながら読んでいました。
周りからは好人物と思われている人が実は…、というのは、こういう結論になると胸がすくようですけど悲しくもあります。
しかし、巧みに隠すんですよねぇ、そういう人って。
そして、これは流れ的に完全に『金田一少年の事件簿』の『怪盗紳士の殺人』でしたね!
まさに『トランク』、まさに『香り』でした。
最後は『百日紅の下にて』
本陣殺人事件でデビューした金田一さんが、戦争に行って、復員してすぐの話です。
終盤まで語り部が誰なのかは明かされないけど、まぁわかりますよねぇ。
話の内容としては、なんとなくですけど、有栖川有栖さんの『ロシア紅茶の謎』が思い浮かぶような内容でした。

集まった人の属性から言っても、ねぇ。
何となくですが、金田一さんのお友達の男性の『正体』は、途中でぼんやりと見えてきました。
確かに札付きのワルだったかもしれないですが、金田一さんが仲良くしていた人だから、きっと心根はいい人だったんじゃないかな、と思ってしまいますけど。
少しの秘密が悲しい結末になってしまったのが残念でした。
毒を飲ませたトリックは、先日の『毒の矢』の中の『黒い翼』と同じ…ですかね?

「結局違う人が飲んでしまった」というのも同じだったように思いました。
Kindle Unlimitedで読みました。
[AD]殺人鬼


コメント