森博嗣さんの『有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER』を読みました。
先日の『数奇にして模型 NUMERICAL MODELS』の続刊です。
とてもとても長かったですねー…。
読むのにものすごく時間がかかりました。
もちろんおもしろくないわけじゃないんですが、長くてかなり疲れました…。
内容としては…『壮大な茶番劇』として終わるはずだったものが、参加メンバーの1人が勝手にシナリオを書き換えて本物の『殺人』を乗っけてしまったので、なんだかめちゃくちゃ大ごとになってしまった、みたいな感じの話でした。
(で、いいのかな?)
現実でこのようなことが行われたとしたら、この会社は世間からものすごく非難されちゃいますね。
そもそも、女子大生1人(3人?)を騙すのに、ここまで大ごとにする!? というのもあります。
そして、内容が『殺人』という…まぁ、もちろん萌絵の好み(でいいのか?)だから選ばれたんでしょうけど。
「倫理的にどうなの?」というのもありそうですし、そしてさらに本当の殺人が起きてしまったわけですし。
でも正直、今回の殺人事件というのは、あくまで付加要素にしか過ぎなかったなという印象があります。
メインは…やっぱり、第1作目『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』に対になる存在としての『THE PERFECT OUTSIDER』、そして真賀田四季博士の存在ですね。
作中で、犀川先生も萌絵も四季博士のことをものすごく恐れていました。
それがどうにも違和感があったんですよね…。
もちろん真賀田四季は、1作目で連続殺人を犯しているわけですから、普通に考えると死刑に近いわけです。
確かに『3人目』を殺したのはちょっとひどかったですが、1人目・2人目はそれなりに筋が通っているというか…通っていないというか…だったので(笑)、別に「殺人が好きでだれかれ構わず殺して回る殺人鬼」ではないわけです(多分ね)。
だから、なんでそんなに怖がるのかな…と思ってしまいました。
でもまぁ、実際そんな人がいたら、やっぱり怖く思っちゃいますかね。
なんか、怖がり方が尋常じゃなかったのでどうなのかなと思ったんですけど、まぁ納得なのかもしれないかー、うーん。
そんな状況で殺人が起きて、「犯人は真賀田四季なのでは?」とみんなが思っていて…まぁ私も思っていましたけど(笑)。
まぁ、「彼女にとって殺す必要のある人間なのか?」というのが一番の疑問でした。
なので、真賀田四季の犯行なのか信じられない部分がかなりあったんですけど、最後で「なるほど、やっぱりそういうことか」と納得できました。
今回も、真犯人とその動機についてはほとんど語られなかったというところが、本当におもしろいなと思いました。
やっぱり殺人はメインじゃなかったんですね。
正直、塙社長の人格はまったく好きになれなくて…。
もし萌絵がなびいちゃったらどうしよう、とか思っていましたが、まぁそんなことはないかー。
犀川先生も犀川先生で大概ですけど、少なくともこんな悪趣味なイベントはしないよなーって。
でも、もうちょっと歩く速度とか、考えてあげた方がいいと思いますよ。
別にモテたいとか好かれたいとか、まったく思ってないでしょうけどね。
そして一番最後。犀川先生が儀同さんに会いに行ったところで出会った『パーフェクトなアウトサイダー』。
物語の最初でも儀同さんに会いに行って、そこで『彼女』に会っているんですが、まさかここで繋がるとはなぁ…と驚きました。
この、『実は一番最初にいたところに回答が転がっていた』的な物語、いつも唸ってしまいます。
『金田一少年の事件簿』で言えばの『鬼火島殺人事件』みたいな。
ちょっと注意深くしていれば気づけたかもしれないのに、というのがいいですねー。
いや、良くないのか?
今回で『S&M シリーズ』はすべて読み終えました。
いやー、おもしろかったです。
もともと『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』だけ読んだことがあって、それを再読してみたいと思ったところからのスタートでした。
Audible ですべて読めたのはありがたかったです。
全10作の中でどれが一番好きかと聞かれたら(誰も聞いてくれないので自分で言う)、やっぱり『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』でしょうねー。
でも、それはある意味殿堂入り的な存在だと思うので、それ以外で考えると…なんだかんだで『今はもうない SWITCH BACK』ですかね。
(最初はあれだけ怒っていたのに…)
次点は、タイトルもよく、萌絵の大嘘からの婚約で驚いた『封印再度 WHO INSIDE』かな。
犀川先生と萌絵がこの先どうなったか、どうすれば知ることができるんでしょうか…?
森さんの作品たくさんありすぎますし、シリーズものもたくさんありすぎますし、何が何やら…という感じで混乱しています。
私の Audible のトップページには、ずっと『オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case』がレコメンドとして表示されているので、それを読みたいんですけど…。
それでいいのかとっても不安です。
だって、『犀川創平最後の事件』ですよ?
死んだりしないよね…?
『毒島刑事最後の事件』で毒島さんは死んでいなかったですが…。
『金田一少年の殺人』でも『剣持警部の殺人』でも、2人とも殺人を犯していないですけどね。
その前に他のシリーズを読んだほうがいいのか、でも Audible には V シリーズとか四季シリーズとかないし…。
…ま、いっか、読みたいものを読んじゃいましょうね。
Audible で読みました。
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