長澤まさみさん主演の映画『おーい、応為』を見てきました。
葛飾北斎の娘、葛飾応為を主人公とした映画です。
先日『HOKUSAI-ぜんぶ、北斎のしわざでした。展 に行ってきました』にも行ってきましたし、以前購入した葛飾北斎の伝記漫画も読んでいったので、予習はバッチリでした。
というか、それらはあくまで『葛飾北斎』のストーリであって、応為はちょこっとしかでてきていなかったんですよね…。
葛飾応為については、北斎が生きている間の彼女しか伝わっていないらしく、あまり詳しいことはわかりませんでした。
なので、今回の映画は楽しみにしていました。
内容としては…なんというか、『ザ・邦画』という感じがしました。
途中ちょっと間延びするな…と感じてしまいました。
息子と一緒に見に行ったんですが、彼もちょっとあくびしていましたね。
でもまぁ、当時の時代の人達の人生って、きっとこんな感じだったんだろうな…と感じました。
なんというか、食って、寝て、描いて、また食って…という感じ。
それをずっとずーーーっと繰り返している感じだったんだろうな、と。
北斎の家に応為が出戻りで返ってくるんですが、北斎の来客中なんかに応為が暇を持て余した感じで遊んでいるんですシーンがあります。
その時も、貝合せとか、キセルの詰まりを紐で取ったり(多分)とか、今の私達からすると「それ、おもしろいの?」という感じです。
でも、私達だって暇潰しがこんなに充実した世の中になったのはごくごく最近のことですし、ましてや江戸時代の人ですもんね。
こうやって、ある意味シンプルな感じの生活をしていたんだろうなー、と。
あと、とっても寒そう…。
そして、汚い(笑)。
北斎は引っ越しをしまくったことでも有名な人ですが、とにかく部屋が汚い。
昔の人はそんなものなのかな…とも思ったんですが、応為の母親の家はかなり片付いていたので(病人がいるからかもしれませんが)、やっぱり北斎の家が汚いんだろうな、と。
嫌になって引っ越し…と繰り返していれば、そりゃお金もたまらないですよね。
後は、正直もうちょっと『絵』にフォーカスしてほしかったな、という思いもありました。
応為が描いた絵があまりちゃんと映らなくて、もうちょっと見たかったな、と。
Wikipedia の葛飾応為のページにある『吉原格子先之図』くらいしかちゃんと見えなくて、ちょっと残念でした。


もちろん応為を直接知っているわけではないんですが、長澤まさみさんはハマってましたねー。
ちょっと気だるそうな感じとか、出戻りの色気みたいなものとか、素晴らしいなと思いました。
着物の丈が、応為だけちょっと短めだったのが気になりましたけど…。
それが、『応為』の好みの丈だったからなのか、監督やスタイリストさん(?)の意向七日はわかりませんが。
ただまぁ『海街diary』でも目を奪われた美脚ですので、悪い気はまったくしませんでしたけどね。
しかし、葛飾北斎役の永瀬正敏さんですが、あれ、葛飾北斎の役は永瀬さんしかやってないんですか…?
最後のあたり、善次郎の葬式のシーンの北斎、あれも永瀬さんですか…?
すっかり老いさらばえていて、なんだか身長も縮んでいて、すごいなと思いました。
(ちょっと、『葬送のフリーレン』第1話のヒンメルのようでした)
北斎が死んでしまったところで、この映画は終わっていました。
先程も書いたとおり、応為自身のその後はわからないとのことなので、これは仕方ないですね。
北斎も応為も、食って、寝て、描いて…を本当に繰り返した人生だったんでしょうね。
ただ、最後の方で北斎と囲炉裏(?)のを囲んで話すシーン、「自分は強制されたのではなく、自分の意志で父とともに歩むことを選んだ」というようなことを泣きながら叫んだシーンは、グッと来ました。
父親である北斎は、それなりにいろいろ自由に楽しんでいたようですが、応為は夫と離婚してからはそんなに男っ気もなく、絵を描いて父の世話をするだけの人生だったような気がしちゃいました。
でも、それを彼女が望んでいたのであれば、楽しい生活だったのかも知れないですね。
元夫とは違い(笑)、本当に上手な絵を描く父とともに暮らした日々だったんですもんね。
本当のところは本人しかわからないですからね。





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