米澤穂信さんの『愚者のエンドロール』を読みました。
先日の『氷菓』の続刊です。
なんだか難解な話だな、というのが率直な感想でした。
なんというか、心理的に。
当然ですけど、いろんな人のいろんな思惑が混ざり合ってしまって、たどり着きたい場所が見えにくくなっているような感じでした。
日常生活だと当たり前なのかもしれないですけどね。
結局は、人が死なないミステリーを書いていたはずなのに、現場のノリで勝手に死ぬように変えられてしまい、その先が生み出せなくなってしまったから代わりの脚本を探すべく探偵役を募集した、みたいな解釈でいいんでしょうか?
確かに、本郷さんが書けなくなったとは言っても、結末どうするかぐらいは決めてたでしょうから、「何で本人に聞かないのかな」ってずっと思っていたんですけど。
脚本の出来も(他の人から見れば)イマイチだったし、作者本人の意図していた方向とは違う方向に行ってしまって、本人も現場班も収集がつかなくなったということなんでしょうか。
内容としては、まぁおもしろかったです。
「カメラマンが犯人」というのは、多分よくある映像モノのトリックなんでしょうし、昔読んだ『金田一少年の事件簿 謎ときファイル』というクイズ本にも同じような内容のトリックが入っていたので、私もこれが真実なんじゃないかと考えていました。
省エネ主義の奉太郎くんがちょっとがんばってるところも、なんかかわいかったです。
お休みで特に部活の活動があるわけでもないのに、ちゃんと学校に通っているところとか。
オバサン的には「なんだかんだ言って青春してるじゃん」ってちょっと安心しました。
しかし、えるちゃんは「ミステリーが嫌い、自分は楽しめないということがわかるぐらいには読んだ」みたいなこと言っていましたね…。
不穏な事件で心がざわつくからイヤなんでしょうか?
最近ずっと死ぬ話ばっかり好んで読んでいるので、ちょっと悲しくなりました。
ずっと Audible で聞いている状態なので、Wikipedia で登場人物の漢字を調べたりしているんですが…。
「ほうたろう」が『奉太郎』、「ともえ」が『供恵』だとは知りませんでした。
なにか、神社仏閣関連のご実家なんでしょうか?
よくある「お寺さんに名前をつけてもらった」系とか?
あとは、入須先輩の『恋合病院』って…すごい名前ですね…。
まぁ、こっちは『久美愛(くみあい)厚生病院』という病院が実在し、近くに『連合橋』という橋があるとのことで、そこから『恋合病院』につながったんだと思いますが…。
音で聞いて「連合病院」かなにかだと思っていたので、字面を見てびっくりでした。
6巻中の2巻目終了です。
なにかこう、ラブコメっぽい展開になるのか、ならないのか。
楽しみに読み進めたいと思います。
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