天樹征丸さんの『小説 金田一少年の事件簿 (8) 邪宗館殺人事件』を読みました。
先日の『小説 金田一少年の事件簿 (7) 殺戮のディープブルー』の続刊です。
この『小説 金田一少年の事件簿』シリーズとしては、(今のところ)最後の話になっています。
それが…何と言うか、後味が悪い話でしたね…。
今回は、確かに金田一くんが持って行った2つの記事が事件の元になってしまった感は否めないです。
少なくとも、先に殺された比呂くんは殺されなくても良かったかもしれないですもんね…。
これは厳しい。
美雪が交通事故に例えて励ましていましたが、気持ちもわかりますがこの結末だと責任は感じてしまいます。
今回の事件では、伊沢くんがこのあと本編漫画の『黒魔術殺人事件』で再登場しますが…再登場するからと言って犯人候補から外れるかどうかというのは、また違うんだなーこれが。
そして、『黒魔術殺人事件』では、井沢くんが犯人だったんだなー。
いわゆる『千家くんパターン』ですね。
わざわざ金田一くんを招くんじゃないよ、と思いますけどね。
にしても、ちょっと気分屋で難しいところがある瑠璃子が、とっさの機転を効かせてこんなアリバイ工作ができるなんて、なかなかすごいなと思ってしまいました。
そしてすごく意外だったのが、長島警部の金田一くんに対する気遣いですね。
案外優しい人なんだろうなっていう感じです。
顔は怖いし、言葉遣いは悪いし、金田一くんのことをものすごく嫌ってはいますが。
でも、やっぱりちょっと頼りにしてて、意外とちゃんと気遣ってるところが、ちょっとほっこりしました。
まー、初めてが『金田一少年の殺人』で、金田一くんの印象はめちゃくちゃ悪かったでしょうからねー。
あの事件は、金田一くんがタッチした人が全部死んじゃっていますから、本当に死神でしたもんね…。
『邪宗門』の初版本の扱い、栞子さんが知ったら卒倒しそうだな、と思いながら読みました。
この形式での小説はこれが最後になってしまったんですが、これは2001年の話です。
もう25年近く前になっちゃうんですね…。
あとがきには「必ず書きます」って書いてありますが、この次はどうなってしまうんでしょうか?
やっぱり、『金田一くんの冒険』に移ってしまった…ということでいいんでしょうか?
まぁ、今回全部改めて読むことができて、すごく良かったです。
高校~大学のあたりで購入した小説だったので、25~30年くらい前に読んだきりでした。
全8タイトルでしたが、一番おもしろかったのは『電脳山荘殺人事件』かな…。
当時は「ふーん」って感じでサラッと流してしまっていましたが、2重の偽造という凝った構成だったので、今初見でも犯人当ては無理だなーと思います。
物語的には『殺戮のディープブルー』が手に汗握るという感じでおもしろかったです。
次は、先ほど書いた『金田一くんの冒険』です。
買っちゃってます、2巻とも。
楽しみです。
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