望公太さんの『小説 僕の心のヤバいやつ』を読みました。
望さんの小説は初めてです。
『僕やば』の小説ということで、発売日に購入していたんですが、結局 Audible 祭り開催中だったので読むのが遅くなってしまいました。
こういう漫画のノベライズは、どれくらい原作の漫画が大切にされているかで評価が分かれると思いますが…。
この小説に限っては、かなり、かなり良かったと思いました!
あとがきに書かれていましたが、望さんの『僕やば』愛を感じられる作品になっていました。
私も『僕やば』大好きなので、こういう愛のある話を読むと嬉しくなってしまいます。
短編集の形式で、4つの章とエピローグという構成でした。
メインキャラ・準メインキャラたちの話で、なんだか自分の中の『僕やば』ワールドが補完されていくのが嬉しいですね。
1つ目は『関根萌子は一歩踏み出す』。
9巻の夏合宿前日程相談のあたりの話です。
…まぁ、近くにあんな純愛っぽい感じの2人がいたら、傍から見てる人はもう大変だよね…と。
しかし、まさか途中で足立と萌ちゃんが結構話し込むシーンがあったとは、という感じでした。
まー、普通の男の子だからエロいこといっぱい考えてるよねー。
リビドーとか濁川くんとか、よくでてくるしねー(笑)。
本編では、結構萌ちゃんの負荷が大きい感じだなとは思っていましたが、お兄ちゃんも意外といい人だし、ちゃんとこれからどうしようか決めているところも偉いですね。
中学3年生なのにすごくしっかりしてるなと思いました。
志望校、入れるといいなと思います。
やっぱり賢い子ですね。
今の環境の居心地が良すぎて、高校に進学したらみんなバラバラになっちゃうのが悲しいですけど…それも青春の1ページという感じですかね…。
2つ目は『僕はカードゲームがしたい』。
『ワンターンキル』は京ちゃんっぽいなと思いました…。
山田、大人だなって思いましたね。
私も多分、そういう魅力的なデッキが組めたらワンターンキルとかしちゃうだろうけど…。
これくらいの歳だったら、だいたいやられた方は怒って帰るとかしちゃうかな…どうだろう、微妙な年頃ですかね…。
山田は虚無になって、ある意味ちゃんと受け入れたというか…ほんと偉いなと思います。
オタクに理解のある彼女ですね。素晴らしい。
そして、ここで漫画の方の「でかい女」の伏線回収しちゃうんだーとびっくりしました。
一応、漫画では2人ともまだ気づいてない状態だと思ったので。
まぁ、そうは言ってもそのうち2人の話題とかに出てくるだろうし、よくよく考えたら「あんなにでかい女そうそういないよな」っていう感じで気づきますかね。
ただ、そういう本編じゃないところで伏線回収されちゃうと、本編の方でいろいろ整合性が大丈夫かな、みたいな余計な心配はしてしまいますけど。
3つ目は『神崎健太は触ってみる』。
いやー、神崎くん、安定の全身ち○こですね。
むしろ安心するわー。
中3男子っていうのはこれぐらいなのかなと。
一方で、原さんのことをちゃんと真面目に考えている部分もあるし、大事にしている感は伝わってくるので、まぁある意味健全な交際なのかなと思います。
京ちゃんと山田の方がよっぽどエロいよなと思います。
にしても、神崎くんはちょっとマニアックが過ぎますね。
「スクワットや腕立てを下から見たい、むしろ自分をまたいでほしい」とか、「お、おぅ…」っていう感じです。
それ以上いっちゃうと、ちょっとアンタッチャブルな領域に突っ込んじゃうんじゃないでしょうか。
原さんにドン引きされたら意味ないですからね。
その辺の線引きはがんばって欲しいなと思います。
神崎君と原さんは、高校別になっちゃうんですかね?
このままずっと仲良くしていて欲しいなと思いますが、それも時間や環境が許さないんだろうなーって。
誰しも通る道かも知れませんが、人ごとながらちょっと悲しいですね。
あとは、バイトくんに怒られてるおねえが相変わらずおもしろかったです。
4つ目は『山田ママは告白させたい』。
今回一番の収穫が、山田パパと山田ママの本名かなと思いました。
山田ママが『早苗』というのは山田パパのスマホの画面か何かでぼんやりと知っていましたが、山田パパが『雪菜』なんてかわいい名前なのにはちょっと驚きました。
『着せ恋』の五条くんみたいなかわいらしい名前だなぁ、と。
そして、2人の馴れ初め。
まさに山田が言った通り、完全にママが猛烈アプローチかけてるのがおもしろかったです…。
美人でスタイルも良くて、なんかちょっとお高く止まってる感じがある山田ママですが、全然そんなことなくて。
すごくチャーミングでお茶目な人だなって思います。
…と言っても、私より年下なんだよなー…。
なんか複雑な気持ち(笑)。
目黒区界隈にはああいうステキな人がたくさんいるんだろうなぁと想像しています。
京ちゃんのこともちゃんと受け入れてて、なんかさすがだなと思いますねー。
素敵なママ、いいねー。
パパも不器用で、まさにおとなになった京ちゃん(ムキムキ)って感じがします。
山田はいいご両親に恵まれてるなと思いますね。
もちろん、京ちゃんもいい家族に恵まれていますけどね。
最後は『エピローグ』。
かなりのドリームが炸裂していて、「これは夢落ち以外ではケリがつけられないだろう」と思っていましたが、まぁそうでした…。
やっぱりノベライズでストーリーを進行させられないですからね…。
あとがきにもそんな記載がありました。
中学校からの10年って、ものすごく環境も変わって、周りの人も目まぐるしく変わって、中学校の頃とは全く別の世界になっていると思います。
すごく、すごく難しいと思うけど…2人には是非とも変わらぬ感じでお付き合いしていて欲しいなって思ってしまいますね。
山田が芸能人だから、難しいかなとは思いますけど…。
京ちゃんの身長がどうなったか、京ちゃんが将来どういう職業についているか、がすごく興味深いですね。
それはいつか迎える最終巻とかまでお預けということですねー。
今回の作品は、原作の世界観をすごく大事にしていて、壊さない範囲で拡張している感じがとても良かったです。
ご本人もやっぱり原作ファンみたいで。
公式として発売されているだけあり、安心しつつも楽しめる内容で本当によかったです。
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