六枚のとんかつ

読んだ本

蘇部健一さんの『六枚のとんかつ』を読みました。
蘇部さんの小説は初めてです。

この小説はずっと Kindle のおすすめ欄に載っていて…。
ちょっと意味ありげの怖い感じの表紙と、その上に書いてある『六枚のとんかつ』というなんとも期の抜けそうなタイトル…。
どんな話なのかまったく想像がつきませんでしたが、読んでみてびっくり。
なるほど、全部で14つの話+2つのボーナストラック的な話+あとがきがあって、とてもボリューム満点でした。

空前絶後のアホバカ・トリックで話題の、第3回メフィスト賞受賞作がついに登場!


Kindle の説明欄でも公式がそう言ってる通り、なんというか『バカミス』というジャンルなんでしょうか。
腹を抱えて笑うような話もあり、かなり戸惑う感じのお下品な話もあり、自分の心の中の位置づけになかなかに困る一作でした。

主人公の名前…あれ、出てきたかな…と思って確認したら、一番最初の『はじめに』で

私の名は小野由一。

と自己紹介していました。
ただし、小説内で『小野』という文字がでてきたのはその箇所だけ…。
なので、忘れていました…。
まぁ、その小野さんなんですが、保険の調査員をやっています。
自社の保険の契約者が関わったさまざまな事件を調べなければいけない立場です。
友人に推理小説家の古藤という人物がいて、その人に事件について聞きに行くというところから始まります。
いわゆる『ガリレオ形式』(東野圭吾さんの『探偵ガリレオシリーズ的な』)っぽい感じなのかな、と思いきや、古藤が出てこないこともあります。

おもしろかったなと思ったのは『FILE No.8 丸ノ内線七十秒の壁』。
確かに「銀座の地下ってすごく広いなー」って思ったことがありましたが、まさかそんなに長く続いてるとは思わなかったです。
まぁ、知っている人は知っていることなんでしょうけど…私はおのぼりさんですし…。
ちょっとしたトリビア的な感じではありますが、雨が降ったときなんかに『使える』のかな、と思いました。
走りませんけどね。

『FILE No.11 消えた黒いドレスの女』については、読みながら「『どっち』かな…」と思っていました。で、結局考えていたのが『両方』とも出てきたので、ちょっとすっきりしました。
真相の方を思いついたのは、金田一少年の事件簿の『首吊学園殺人事件』の浅野先生のふすまのシーンを思い出したからなんですけど…。
「まさかな…」と思っていたら当たっていたので笑ってしまいましたが。

『FILE No.12 五枚のとんかつ』については、完全に当てることができました!
ただまぁ、最初に

島田荘司氏の『占星術殺人事件』のトリックを割ってしまうおそれがあります。

と書かれていて、それでピンときた感じです。
でも、『占星術殺人事件』を読んだの、もう20年以上も前のなんですよね…。
『金田一少年の事件簿』で問題になったときに読んでみたんです。
「へー…」という感じでサラッと読んでしまったので、今度機会があったらまた読んでみようと思います。

で。
「同じトリックを使っている」と書かれている『FILE No.13 六枚のとんかつ』なんですが、こっちは分かりませんでした…。
残念。
なるほどなー…でも、雪の中走りたくないなー…。

『最後のエピローグ』は、とても短い話だったんですけど…、大爆笑でした。
ここでまた蒸し返すのかーーー! と。
うちの息子が地図が好きなんですけど、本書の『地図』を見せたらちゃんと『正解』を言い当てたのでさすがだなと思いました(笑)。

主人公の小野、その友人の古藤の他に、もう一人早乙女くんという人がかなりの確率で出てくるんですけど、彼がなかなかおもしろいキャラクターだなと思いました。
乙女ゲーに出てきそうな名前ですが、体重120キロ超えとのことで、なかなかのインパクトです。
失礼ながら、『タイムマシーン3号』の関さんを思い浮かべながら読みました。

しかし、保険調査員というのは、こんなに大変なお仕事なんですか…!
謎解きみたいな、探偵みたいな、警察みたいなことをしなきゃいけない仕事なんですね…。
私の好きな『金田一少年の事件簿』の金田一くん、齢44にしてようやく探偵になったんですが、それまでは『音羽ブラック PR 社』でサラリーマンをしていました。

金田一パパの事件簿、はじまりましたね!
1/22(水)は、朝からずっとソワソワしていました。起きてすぐに購入しました、『金田一37歳の事件簿』最終18巻!なんと、真壁先輩が表紙に登場。まりんちゃんだって、草太くんだって、佐木くんだって、明智さんだって、剣持さんだって登場してないの...

彼は…この仕事につけばよかったんじゃないか…と思いましたね…。
そうすれば、今までのノウハウ・人脈など、ものすごく役に立っただろうに…。
あ、でも「もう謎は解きたくないんだー」だったのか、じゃぁ無理か…。
天職かなと思ったんですけどねー。

『六枚のとんかつ』は『六とんシリーズ』として4まで出ているようです。
…すごいな。
Amazon のレビューだと、「シリーズを重ねて大人しくなってしまった」とあったので、今回はかなり暴れていたってことですよね。
続きも、機会があったら読んでみたいです。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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