ミネルヴァの報復

読んだ本

深木章子さんの『ミネルヴァの報復』を読みました。
深木さんの小説は初めてです。

表紙はフクロウです。
詳しいことは全然知らなかったんですが、『ミネルヴァ』はローマ神話に出てくる知恵と戦いの女神のことで、ギリシア神話の『アテーナー(アテナ)』と同一視されているとのこと。
『ミネルヴァ』と言えば FF4で出てきた『ミネルバビスチェ』、強いけど知性と精神が大幅ダウンすることで有名な女性用防具です。
「ばびすちぇ? ってなに?」と、どこで区切る単語なのかわからなかった小学校時代。
『アテナ』と言えば、鎧を着たり脱いだり(?)しながら横スクロールで進んでいくファミコンのゲームですよね。
その『ミネルヴァ』と『アテナ』が同じだったとは。驚きです。
で、フクロウはミネルヴァとともに描かれることが多い、知恵の象徴なんだそうですね。
へー、知らなかった。
『テミス』がギリシア神話で法の女神というのは知っていたんですが(中山七里さんの『テミスの剣』とか)、今回は対になる存在のような形で描かれていました。
いやー、ギリシア神話って、ややこしいし難しいですね。

私としては、『犯人』は完全にノーマークだったのでとてもびっくりしました。
Amazon のレビューに「犯人簡単すぎ」というような内容の口コミがいくつかあったんですけど、みんな凄いなーと思ってしまいます。
私が気付いたの、かなり後半になってからでした…。

主人公であるはずの横手弁護士、なんか全然役に立ってないというか(笑)、とっても暴走気味なのがとっても気になってしまいました。
というか、『真』の主人公は睦木怜弁護士の方なのかな。
刑事事件専門の弁護士である睦木さんは、どうやら深木さんの小説にでてくるのは2回目とのこと。
ほー、また私お得意の『順番無視』が出てしまいましたね…。
まぁ、睦木さんのバックグラウンドがあまりわからなかったですが、物語の進行には影響がなかったと思うのでまぁいいです。
機会があったら前作も読んでみたいな。

にしても、睦木さんは刑事専門で慣れているとはいえ、すごすぎやしないですか…?
まさに安楽椅子探偵。
こんなにズバズバいけるもんなんですか…、すごい。
死体をバラバラどころかミンチ状にしたのでは、という指摘がありましたが、どうやってやるのかな…。
昔何かで、血抜きをしてからじゃないと大変だーとか、読んだ記憶がありますけど…。
あんまり想像したいものでもないですしね。

横手さん弁護士事務所、確かに事務員の佐伯さんと2人きりでずっとやっていくのは大変でしょうね。
佐伯さん、美人でいらっしゃるそうなのに、全然男性経験がないというのも、なんというか…もったいないですね。
事務員としてきちんと仕事をこなせる人なんだし、さらに美人なんだったら引く手あまたでもおかしくなかっただろうに。
自分が子持ちになっちゃうと、どうしても周りの人も子持ちの人ばかりになってしまいますし、今は会社勤めもしていないので交際範囲も限定されちゃっていますが、自分が社会人だったときにも先輩でとてもきれいなのに浮いた噂のない方とか、たまにいました。
今だとセクハラとかであまり突っ込んで聞かれなくなったでしょうけど、当時は上司とかに「カレシいないの~?」なんて絡まれていましたね…。
そういうのを見ると、さらに男性に幻滅してしまう、という負の連鎖に入るのかもしれませんが…。
ただ、今回の小説のような話を読むと、男性経験がまったくないのもよくないんだろうな、と思ってしまいますね。

そして、この辻堂という男。
一体どんだけイケメンなんだろう…?
こんなに次々と女が寄ってきて、しかも心底惚れられる男って。
今のところ、こういう人にお目にかかったことがないので、全然想像がつかないですね…。
都会だとよくいる人種なんでしょうか。
しっかし、こいつが諸悪の根源ですね、まったく。

ミネルヴァ横手とテミス睦木の対比がおもしろかったです。
ラストに事務所で睦木さんと対峙した横手さん。
そこで語られる、横手さんのこれからの計画。
ミネルヴァの『報復』は実を結ぶんですかね。
少なくても横手さんにとっては、自分の弁護士生命を賭してでも守りたい人物だったわけですね。
報われるといいなぁ、と思ってしまいます。

Kindle Unlimited で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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