宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証 第II部 決意 下』を読みました。
先日の『ソロモンの偽証 第II部 決意 上』の続刊です。
ついにここまで来ました。
もうすぐ法廷が始まります。
ここに来て、もう一人新しい陪審員が増えたり、モリリン先生が怪我したり、樹里が声を取り戻したり、ちょっとした展開がありました。
でもまぁ、『事件』に比べたらスピードはゆるやかです。
その分、なんかみんなの心情が伝わってきて、結構グッとくるシーンが多かったように思います。
大出くんが握手に応じたところとか、樹里が最後に部屋で泣いたところとか。
なんだかんだ、やっていることは大人びていて凶悪なこともあるけど、やっぱりまだ気持ちは中学生でナイーブで。
やっぱり人のことを気にしやすくて、自分に自信がなくて弱い子供たちなんだなーって。
ほっとするやらかわいそうやら、私の感情も動かされますね…。
みんなそれぞれ頑張ってて、どういう結末になるとしても、最後までやり通してほしいと強く願います。
いろいろ運も味方してるとはいえ、中学生の捜査でこんなにいろんなことがわかってくるなんてすごいなと思います。
自分が中学生の時には絶対できなかっただろうなと。
もちろんフィクションだって分かっていますが、きっと唯一無二の体験となって、この子たちの今後の人生に大きく影響を与えるんでしょうね。
元・校長先生が、まぶしそうに彼らを見つめている気持ち、よくわかります。
いわゆる『学校の勉強』だけでない、ものすごい学びを得ているんでしょうね。
元・校長先生はきっと嬉しいでしょうね。
そうですねー、あとは、大出くんがやっぱり不安定でかわいそうだなと思いました。
もちろんやってることは犯罪になることが多いので、完全に同情はできない部分もありますが。
環境が違えば、こんな育ち方にもならなかっただろうに、と思います。
みんなそうでしょうけどね。
樹里も、これだけまわりをぐじゃぐじゃにかき回しておいて、それでいてまだ自分の言うことを信じさせようとする、その根性はすごいなと思います。
まぁ、ちゃんと叱ってくれる人がいないというのは不幸なんですね。
映画版を観ているんですが、結末の記憶が曖昧だから、ここからどうなるかはよく覚えていないんです。
でも確か、大きな『秘密』が明らかになるんじゃなかったかなと思うんですが…、どうだったかな?
次の『第III部 法廷』が楽しみです。
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