ソロモンの偽証 第II部 決意 上

読んだ本

宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証 第II部 決意 上』を読みました。
先日の『ソロモンの偽証 第I部 事件 下』の続刊です。

ソロモンの偽証 第I部 事件 下
宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証 第I部 事件 下』を読みました。先日の『ソロモンの偽証 第I部 事件 上』の続刊です。 全6巻の2巻目です。とにかくいろんなことが起きすぎていて、読んでる方もちょっとしんどいです。他の並の小説がだったら「ち

第2部開始です。
第1部とは違って、事件はまぁ起きなくてちょっと安心です。
ただ、急に雰囲気が急に変わり、登場人物も急に中学生がいっぱい出てきて、ちょっと覚えるのが大変ではありました。
そして、前にもちょっとだけ出てきていた少年・神原くんがついに出てきました。
彼が弁護士、涼子が検察という役割がはっきりして、対立しつつも協力しつつ、『学校裁判』が無事に円滑に進むことを目的に、みんなそれぞれ頑張っています。

大出くんはやっぱりツっぱっていても14・5歳の少年で、心の底では誰かに信じてもらいたいっていう気持ちもまだ強く持っていて。
だから、今だったらまだ立ち直れるって、その片鱗がちょっと見えて、ぐっときました。

いろんな人がそれぞれの思いで行動していて、それがばっちり噛み合ってたり、すれ違って反感買ってたり。
日常生活ってまぁそういうモンですが、それを描ききるのはやっぱりすごいですね。

あとは、キャラの描き分けがすごいなと、改めて思いました。
学校の先生は協力的な人って…まぁちょっとはいますけど、ほとんどがやっぱり妨害してくるような感じです。
特に体育教師の物言いがあまりに酷すぎて、「20年以上前ってこんなひどかったっけ?」と。
というか、私もその頃学生だったはずなんですが…。
そこまでひどい言われように遭ったことがなかったので。

しかし、公立の中学校だけど成績別でクラス編成されちゃうんだなっていう驚きと、涼子みたいな優等生もいれば大出くんみたいなひどい子(失礼)もいて、「こんなに幅あるんだっけ?」っていう驚きもあった。
私は田舎の公立中でしたが、何だ彼んだで飼い慣らされていたんだなーって。
学力的にという意味ではなく、素行の方ですね。
問題児はほぼおらずの学年でした。

もー、中学3年生の夏休みに何やってんの? っていう気持ちはありつつも、この問題が解決しないとちゃんと前を向けないっていう気持ちもよくわかります。
だから、涼子のお母さんとかの振る舞いはすごいなと思って見ていました。
それに引き換え、学校の先生の酷さがどんどん露呈してくる感じですね…。
生徒のほっぺを叩くかねー?
あまりにも感情的すぎる、象徴的な行動。
わざと叩かせたんだとは思いますが、痛かったろうに。

あとは、樹里の母親。
ちょっと幼すぎますね…というか、申し訳ないですが、知能が低い印象です。
まぁ、本人のせいじゃないのかな、かわいそうですけどね。

今日び、中学生でも十分ひどい犯罪を犯す世の中になってきていますから、それぐらいの年頃の子がみんな綺麗だとは言わないです。
でも、マスコミの汚い視線にさらさせたくないなっていう思いはあります。
それを逆に利用してやろうっていう、その心意気はすごいなと思いました。

全6巻中3巻目終了、ちょうど中間地点まで来たので、後半も楽しみに読んでいきたいですね。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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