グラスホッパー

読んだ本

伊坂幸太郎さんの『グラスホッパー』を読みました。
伊坂さんの小説は『逆ソクラテス』以来です。

この『グラスホッパー』は、映画公開時に見に行きました。
主人公の鈴木を生田斗真くんが、蝉を山田涼介くんが、鯨を浅野忠信さんが演じていました。
フロイラインの比与子は菜々緒さんでした。
菜々緒さんは、それまでたまたまつけた『みんなの KEIBA』と『主に泣いてます』しか見たことがなかったので、比与子のような強い女の役の方が合ってるな、と思ったのを覚えています。
槿(あさがお)については、誰がやったか記憶になかったんですが、Wikipedia を見たら吉岡秀隆さんでした。
なので、今回はそのキャストで想像しながら読んでいました。

映画を見たときは原作を読まずに行ったので、なんだかもういろんなことがいっぺんに起こりすぎて、しかも最後みんな死んじゃったし、殺し屋ばっかり出てきていたし、なんだか理由のわからないうちにどわーーっと終わってしまったという印象でした。
今回改めて小説を読んでみて、内容も咀嚼できたしとてもおもしろかったなと思いました。

主人公の鈴木の、弱そうで流されやすそうなんだけどとりあえず決めたことはちゃんとやる感じ、なんかいいですね。
フロイラインなんかに入っちゃってねー。
もし、今回のような偶然が本当にたまたま重ならなかったら、彼は確実に殺されてたでしょうね。
まー殺されはしなかったですけど、結構ボコらましたけどね…。

蝉は、儚げな美少年…というわけではないんでしょうけど、ふっとするとどこかに行ってしまいそうな感じです。
でも戦わせるとかなり強いんですよね…。
彼と岩西との間にある『友情』というか『信頼関係』みたいなもの、結局お互いがお互いに伝わらないままこうなってしまって、なんだか残念だったなと思います。
どういう生い立ちで、どういう経緯があって岩西とタッグを組むことになったのか、その辺をもっと知りたかったような気もするんですが、まぁこんな感じでさらっと終わらせる方が夢があっていいのかもしれないですね。

鯨に関しては、「ある意味蝉よりもしんどい仕事だな」と思いながら読んでいました。
そんなにたくさんの人の『自殺』に立ち会う人間って、まー普通に考えたらいないですよね。
その中でも、自殺者の共通項みたいなのが見えておもしろいというのは…分かるような気もしますが、その前に自分のメンタルがやられてしまいそうです。
なので、幻覚のようなものが見えてくるというのも、わかるような気がします。
多分、本人が思ってるよりもずっとストレスだったんでしょうね。
まか…『解放された』ということでなんでしょうか。

槿がひょっとしたら一番すごいかも、というのが率直な感想でした。
まさか、こんな風に『舞台』を用意して待っていたとは、と。
そして、『劇団』の人のスキルも相当なものですし、演者もたくさんいて多岐にわたっていて恐ろしいですね。
子供たちはどういう経緯で加わったんでしょうか…?
そりゃ、学校行ったりできないですよね…。
本人たちがどの程度納得してやってるのか、まったくわからないですけど…。

しかし、日本にはたくさんの殺し屋がいて、『業界』まででき上がっていて…。
恐ろしい国ですね…。
都会に出れば怪しげな薬を売りつけられるし、気が付いたら変な会社に入社してるし、尾行すれば舞台に引きずり込まれるし…。
安全な場所ってあるんでしょうか…? と思ってしまいます。
…まぁ、こういう小説を読んでいられること自体が、日本が『平和』だということなのかもしれないですけどね。

今回のこの小説は、伊坂幸太郎さんの『殺し屋シリーズ』の第1作目とのことです。
ただ…蝉も鯨も比与子もログアウト済みですから、次回作はどうなるんでしょうか…?
現存しているのはスズメバチと槿ぐらいじゃないですかね…。
どの殺し屋のシリーズなんでしょうか?
あと3つあるようですし、全部も Audible で読めるみたいなので、楽しみにしたいと思います。

Audible で読みました。

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さちこ

40代2児の母。2011年からフリーランスやってます。東京の東の方在住。
第一子が発達グレー男児で、彼が将来彼の妹に迷惑かけずに生きていけるよう、日々奮闘中です。

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