殊能将之さんの『キマイラの新しい城』を読みました。
殊能さんの小説は『ハサミ男』以来です。
殊能さんの小説は2作目ですが、前回の『ハサミ男』と比べるとかなりファンタジーよりな話でした。
タイトルの『キマイラ』からしても「そうかも知れない」と思いましたけど。
Wikipedia には、この作品は『石動戯作』シリーズの最終話として書かれていました。
まーた読む順番を…。
導入の部分の容量が全然掴めなくて、「…何の話をしているの…?」としばらく混乱していました。
ようやく戻ってきて、少しずつ内容がわかってきて、だんだんおもしろくなってきます。
『石動戯作シリーズ』ということなんですが、今までの作品を読んでいないからなんとも言えないんですけど、彼、ほとんど活躍してなくないですか…?
むしろ、助手のアントニオ氏の方がエドガーさんと会話しているし。
アントニオの方が有能なんじゃ…と。
しかも『アントニオ』という名前から金髪碧眼っぽい感じを想像していたんですが、中国の方のようです。
それはそれでおもしろい。
今までの背景がまったくわからないので、本当は石動さんが傀儡の探偵なんじゃないかということすらも判断できず、もどかしい気がしました。
いわゆる、コナンでいうところの毛利のおっちゃん的な、ね。
やっぱり読む順番大事かー。
ちょっともったいなかったな。
本作のキーマンであるエドガーさんはなかなか愛すべきキャラクターで、途中で出てきたカゲキさんもなかなかに面白い人でした。
二人の大立ち回りはなかなか見ものでしたね~。
石動探偵最後の作品ということで、カゲキさんとかはもうでてこないんだろうと思うんですが、良いキャラクターだったのにもったいないなと。
謎解き、という点では、本の最初に城の全景が入っている時点で、いわゆる建物になにかあるタイプの話なんだなと理解しました。
このブログに書いた中だと、『廃遊園地の殺人』『硝子の塔の殺人』『眼球堂の殺人』のような、建物に仕掛けがあるタイプの話です。
しかし、まさかこういう形で『アクロバティック』だったとは…。
さらにさらに、これ、本当に適当な(言葉としておかしいけど)ホラ話なの?
真相は、要するに一番最後に書かれていたやつ、ってこと?
はー…。
その方法の名称は…なんでしょう、『偶然』? 『運命』?
エドガーさん本人は「死の謎」と言っていたとはいえ、ちょっと騙されたなーって思っちゃいました。
とはいえ、それも含めて楽しんでいい話なのかな。
人は一人死んでますけどね。
エドガーさんは…まぁ、750年くらい前だからいずれにせよ時効でいいんじゃないですか。
適当ですけど。
あ、殺人は時効亡くなったんだっけ?
いや、750年前だからいいのか??
なんだかわちゃわちゃした感はありましたが、おもしろい作品でした。
殊能さんの作品は全部で8個くらいしかないんですよね。
まだ2作目ですけど、全部読みたいなと思っています。
Kindle Unlimited で読みました。
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