綾辻行人さんの『びっくり館の殺人』を読みました。
先日の『暗黒館の殺人 四』の続刊です。

あとがきまで読んで、ようやく納得です。
これは、『ジュブナイル小説版・館シリーズ』という感じの作品ってことですかね!?
最初パッと画面見たときに、句点(。)と鍵かっこ(「」)が混ざったような文体になっていたのがものすごく違和感があったんですよ。
つまり、普通だったら「本日は晴天なり」となるところなのに、「本日は晴天なり。」と、かぎかっこ内でも句点の丸がついていたんですね。
「これは、また『黒猫館』の時のように誰か別の人物(ここでいうと三知也くん)がずっと書いている手記なのかな?」と思っていました。

でも、あとがきによると、これは「子供向け小説用の体裁に合わせたものを、わざと取り払わなかったから」だとのこと。
なるほどねー。
読んでるうちに、何というか『推理小説』というよりはちょっとした『ホラー小説』のような感じだなと思いだしていたんですが、それもまたわざとそのように書かれたっぽくて。
子供の心にちょっとした『時限装置』を埋め込もう、という思いからの内容になったとのこと。
私は「自分が子供の頃読まなくてよかったな」と、正直思いましたね…。
怖くて寝られなくなっちゃいますから…。
内容も、ものすごく大きな『操り人形』だと思っていたものが…という感じで…、うん、ホラーだよね…。
「Help us!」と 書い てあったりとか…うん、やっぱりホラーだね。
怖いわ。
同じようなジュブナイル小説だと、以前読んだ『金田一くんの冒険』を思い出します。

あちらでは『殺人事件は起きなかったけど、やっぱりその子供向け』という感じのお話でした。
対してこちらは『そこまで凄惨な感じではないものの殺人あり』という感じでした。
まぁ、ちょっと似たようなテイストだったかなと思います。
鹿谷さんの登場シーンも、なんかおもしろかったですね。
別になくてもいいんだけど(失礼)、花を添えている感じが良かったと思います。
また、「インターネットで検索してみた」という言葉が出てきて「おっ」と思いました。
ついに、この『館シリーズ』にも、そういう文明の利器が登場したのか、と。
確かに、インターネットがあれば、それこそどんなことでもいろいろ調べられますし、前回も思った『日付と曜日の関係』も Excel に日付打ち込むだけですぐ出ますし。
それを思うと、逆に昔は本当不便だったなって思いますねー。
家庭教師の新名さんが読んでいた本が、『日本三大奇書』の1つであるのが、なかなか…。
私はまだ3つとも読んだことないんですよね…。
読んでみたいような、みたくないような…。
怖いんですよね、ぶっちゃけ…。
だって、『HUNTER × HUNTER』のセンリツが探している楽譜みたいな効力があったら嫌じゃないですか。
あるわけないですけど、わかってるんですけど。
前回の『暗黒館の殺人』は『エピソード0』だと思っています。
今回は、一応「番外編ではない」とあとがきに書かれてはいましたが、やっぱり『正統』な感じでもないなとは思っています。
ただまぁ、こういうのがあるのもおもしろいですよね。
前回が4冊分の大ボリュームだったのに対し、今回は意外とあっさりとした感じだったのも、なんかおもしろかったです。
次で既刊最後のシリーズです。
ここまできちゃったかー。
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