万城目学さんの『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』を読みました。
万城目さんの小説は『ヒトコブラクダ層戦争』以来です。

前回の『ヒトコブラクダ層戦争』がとてもおもしろかったので、読むのを楽しみにしていました。
そして、とてもおもしろかった。
なんとなくですけど、『窓ぎわのトットちゃん』と『ペンギン・ハイウェイ』をいい具合にミックスさせたような感じのテイストでした。


主人公のかのこちゃんは小学校1年生なんです。
やっていることがちょっとレトロな感じがしたから、「ひょっとして『今』の時代の話ではないのか…?」と思ったんですが、『難しい言葉勝負』のところでお友達のすずちゃんが「オバマ大統領」と言っていたので、2009年から2017年までの話、比較的最近の話でした。
まぁ、デジカメ持ってお散歩の自由研究やっていましたしね。
かのこちゃんとすずちゃんの友情がすごくよくて。
『トイレの茶柱』は大笑いしました。
『大人のお茶会』での「ござる」も。
なので、すずちゃんが転校しちゃうのはとっても悲しかったですね…。
私も3回転校しているので、この気持ちはよく分かるなぁ、と思いました。
今みたいに気軽に LINE もメールもできるような環境じゃなかったし、手紙書いても切手代もままならなかったので(笑、言えば出してもらえたと思いますが、遠慮がちな子供でした)、本当に遠く離れちゃう感じなんですよね…。
かのこちゃんとすずちゃんの友情が、今後も途切れることなく続くことを願わずにはいられないです…。
そして、マドレーヌ夫人。
猫なのに犬の言葉がわかって、なぜか2回も人間に化けて、猫らしくプライド高そうな感じで、そして、とっても優しい不思議な猫でした。
途中の夏祭りのシーンで、すずちゃんのお父さんがなんだか不思議な描写だったので、「ひょっとしたら」と思っていましたが、そのとおりでした。
すずちゃんのお父さんはびっくりしたでしょうねー。
最後、玄三郎が死んでしまって、その後マドレーヌまでいなくなっちゃったから、かのこちゃんたち一家がとっても悲しむだろうと思いました。
でもそこは、マドレーヌ夫人の意思を尊重しているところが、すごくいいなと思いました。
そして、やっぱりいなくなっちゃうんですね…。
でも、こちらも、願わくばまたいつか戻ってきて一緒に暮らせるといいなと思ってしまいます。
全体的な雰囲気も、文章の感じも、登場人物たちのキャラクターも、すごくよかったです。
これは『児童小説』なのかな?
うちの下の娘が現在小1なんですが、彼女にも読ませたいなと思いました。
Kindle Unlimited で読みました。
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