佐藤青南さんの『お電話かわりました名探偵です』を読みました。
佐藤さんの小説は『犬を盗む』以来です。
私、大学卒業して一番最初に勤めていたところがコールセンターの会社だったので、完全にタイトルに惹かれて読みました。もちろん、私が働いていたのは『普通』のコールセンターだったので、こんな事件なんて扱うことはないですが…。
警察のコールセンター、見学してみたいですね…。大変そうですけどね…。
短編集のような形式になっていて、5個の事件が入っています。どれも流れは基本的に同じ。入電して、話を聞きながら、現場に行くことなく事件を解決するという感じ。いわゆる『安楽椅子探偵』というやつってことでいいのかな。
主人公は早乙女廉という、(本人曰く)名前負けしているイケボの警察官です。彼が働いている Z 県警のコールセンターには、『万理眼』(千里眼よりすごい、という意味)を持つ伝説のオペレーターがいて、語りぐさになっているみたいです。それが君野いぶきという、幼声の持ち主である先輩の警察官です。それに和田という、なぜかコールセンターに入り浸っている捜査一課の刑事が現場係となり、みんなで事件を解決します。早乙女くんといぶき先輩の、なんだか高校生みたいな関係にやきもきしつつ事件も見事に解決する、という感じでした。成人しているはずの2人なんだか初々しすぎるので、ちょっと高校の部活っぽい感じもあります。
『CASE1 家を盗まれた女』は、以前同じような要領を得ないことを話すおばあさんと道で会ったことがあり、身につけていた電話番号に電話してご主人に迎えに来ていただいたことがあったので、そんな感じの話かなとすぐにピンと来たんですが、まさかさらにその先があったとは、と驚きました。ここまで見抜くなんて、さすが万里眼。
『CASE2 誰かが大根を食べた』は、先日『薬屋のひとりごと』で大根の食べる以外の使い道を読んだばかりだったので、ひょっとしてこれか? と思いましたが、こちらもまさか…という感じ。いやー、やることが鮮やかすぎて怖いわ…。
『CASE5 人を呪わば』では、犯人が罠に引っかかってくれたおかげで鮮やかに逮捕することができました。にしても、騙し騙されの展開でハラハラしました。
実際の警察のコールセンターもこんな感じ…じゃ、ないですよね…ですよね…。
この小説はドラマ化の情報はなかったので、キャストは自由に想像しました。
早乙女くんは、先日に続きまたブンブンジャーで申し訳ないんですが、阿久瀬錠くんで想像しました。今、彼が最推しですねー。
和田さんは同じくブンブンジャーから振騎玄蕃くんをもう少し先輩にした感じかな…。
いぶき先輩は、難しいですね。まぁ、表紙の女性がそうだと思うので、かわいらしいかんじで想像しました。
シリーズものとしてあと2冊あるようなので、機会があったら読みたいです。
Kindle Unlimited で読みました。
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