佐藤青南さんの『お電話かわりました名探偵です 復讐のジングル・ベル』を読みました。
佐藤さんの小説は『お電話変わりました名探偵です リダイヤル』以来です。
この『お電話変わりました名探偵です』のシリーズは、今のところこの3巻目でおしまいのようです。
最後まで読んだ感じだと、多分完結かな…。
ちょっとさみしい気もしますが…。
前回・前々回同様に、早乙女くんは『爆上戦隊ブンブンジャー』の阿久瀬錠くんで想像して読みました。
錠くんで想像すると、本当にいぶき先輩が羨ましいです…。
今回も前回同様、基本的には一話完結でした。
『CASE1 大怪獣、現る!』。
まー、ちょっと現実的ではないかなって正直思ってしまいましたけど。
雲が現れた地点から線を引いて、その直線上をずっと延ばしていって、ほんのちょっとずれただけでも最終的にはかなりずれてしまうし…。
そもそも、通報の内容でいたずらだって判断されなかったのが、奇跡的だなと。
この男の人は、彼のお母さんが『発達障害 + 知的障害』と言っていましたが、通報したのは偉いなと思います。
そして、その通報がいたずらだと判断されずに、ちゃんと最終的には表彰されるというところまで持っていってもらえたのも、本当にすごいなと思いました。
奇跡的な話ですね。
この章の冒頭、なんかすごく不穏な感じで始まってしまったので、ちょっとどうなるのかなって。
前回の『出せ出せ男』じゃないですけど、また今回も1巻通して追いかける感じの相手なんでしょうか。
最初に登場した社会科見学の男の子もなかなか気になりますね。
そして、社会科見学で警察署に行けるっていうのがすごいなと思います。
…行きたい…私も行きたいです…。
うちの区でも申し込みすれば行けるんでしょうか…?
『CASE2 ママ友大戦争』。
タイトルは『ママ友』ですが、実際の内容は『家族』だよな、と思いました。
これはまぁ、お父さんが結構ギルティだなと私は思うんですけど…どうでしょう?
やっぱり子供の自由研究なんですから、もっと子供にやらせなければいけなかったんじゃないかな、と。
私も、小1の娘の自由研究、ちょっと手伝いましたけど、本当に少ししか手伝ってないです。
大半は娘がやりました。
給食のときに使うランチョンマットのすみっコぐらしの刺し子を縫ったんですが、結構大変でしたけど楽しかったって言ってました。
だから、このお父さんはちょっと調子乗りすぎちゃったのかなとは思いますねー。
あと、相手のママ友は、会話の内容からしてまったく非難してないのに、お母さんが一人でカッカしちゃった感じですかね。
お母さんもやっぱりやましいところがあるから、言われた指摘が的を射ていたのにぐっとなっちゃったんでしょうね。
息子はまぁ…ちょっと規模が大きくなっちゃったからかわいそうかなと思いますが、その塗料の特性とかをよく知っていて、こういう結果になるように持って行ったのはいやすごいなと思いました。
工作よりも、そっちの化学系の方の自由研究の方が良かったんじゃないかというくらい。
あとは、もうちょっとはっきりと先生に言えたら良かったかなとは思います。
でもまぁ、それはちょっと期待しすぎかなとも思いますけど。
自分から辞退するっていうのは難しいですね…。
まぁ、とりあえずなんか丸く収まる方向だったから良かったですが、なにか本当一つ間違っていたら大変なことになったでしょうね。
危なかったです。
『CASE3 常連自殺志願者の憂鬱』。
これぐらい展開の想像ができないと、逆にいっそ清々しかったです(笑)。
はじめは、狂言自殺して警察を現着させることで、誰か警察官に恋でもしてるのかな、なんて思っていましたが。
もし、この首謀者の女性が毎回ちゃんと振られた相手のプロフィールを変えていたとしても、解決できたのかな。
結構際どかったかも知れないですね。
しかし、こうやって現場の刑事がペラペラしゃべっちゃうことで、『万理眼』がいろんなところに浸透してしまって…。
そしてそれが、いぶき先輩の命が狙われる原因になってしまうなんて。
利根山管理官にもうちょっと守ってもらわないといけないんじゃないですかね…?
『CASE4 苦い恋の味を知って少年は大人への階段をのぼる』。
これはねー。
私もいぶき先輩とだいたい同じくらいのタイミングで気付きました。
はじめは普通におしっこ漏らしたのかなって思いましたが、「いや、そうじゃないな」って。
私は2回出産しているんですが、2回とも破水からの陣痛そして出産だったのでピンときました。
小学校4年生の男の子が憧れるぐらいの中学生だから、なんか優等生な優しいいい子ちゃんなのかなと思いましたが…中学生ですもんね…ありえないことではないです。
しかも、結果的に万引きしたとはいえ、ちゃんと現場に帰ってきたし、ちゃんと出産した事実も認めたわけなので、きっと悪い子ではないんでしょうね。
まぁ、最初の恋がこんな形で終わってしまったのはとってもかわいそうですけど、それこそタイトル通り「苦い恋の味を知って大人への階段をのぼったんだ」と思えば、まぁいい思い出になるんじゃないでしょうか。
赤ちゃんも無事生きてたみたいですし、とりあえず収まって良かったかな。
相手の男は…まー、自分と子供の人生に必要ないと思えば、切ってしまえばいいと思います。
お父さんもお母さんも弟も、きっと協力してくれるんじゃないでしょうか。
…そして最後、なんかいぶき先輩がとんでもないことになってしまっています…。
『CASE5 お電話かわりました名探偵たちです』。
最終章、今までの集大成のような感じの話でした!
まさかのまさか、利根山管理官が元祖『万理眼』だったとは!
本当に、その名前から来ていたんですね!
1巻の頃から出ていますが、ただのマスコットおじいちゃんだと思っていました…。
だって、実際にコールセンターだとこういう『マスコットおじいちゃん』いるんですよ…。
仕事全然できないで、とりあえず役職だけ就いているんだけど、不思議なことにそんなに嫌われないおじいちゃん。
絶対それだと思っていました…。
でも、よく考えたら、彼も警察官なんですもんね。
そして、ついに早乙女くんが執務室から飛び出して、いぶき先輩を救いに行くことに。
クロスワードパズルの答えを全部覚えてるなんて、ほんとにすごいなと思います…。
しかも上下2段階でメッセージを残すとか。
本当に驚異的です。
石焼き芋に扮して場所を探すのもはすごいなと思いました。
クラクションでも長めに鳴らすのかなと思いましたけど、それだとよけいに目立っちゃうか。
最後のところで早乙女くんが御厨に撃たれてしまって!
でもまぁなんとか大丈夫っぽかったから良かったですよ…。
冷静に考えたら、別にいぶき先輩のことかばって打たれたわけじゃないし(笑)。
ただ…御厨、なんなんだよ。
たった3日しか付き合ってないで、よく言えるよなー。
というか、いぶき先輩も3日で別れたとはいえ、よく付き合ったなと思います。
早めに馬脚を露わしたというところなんでしょうか。
最後、なんかチューしてもらったっぽいし、これはいい感じなのかと思ったんですが…。
最後、『エピローグ』。
結局いつも通り、ってどういうこと!? と思ったら、最後はちゃんとそれなりに収まって良かったですよ!
海斗くんは、本当に110番してきちゃダメですね…。
今回はある意味ナイスアシストだったのかもしれないですが。
まぁ、早乙女くんといぶき先輩ってば、やってることは中学生かなって感じですね。
『僕やば』の方がよっぽどヤバいことやってるなーって思っちゃいます。
この話は『角川つばさ文庫』みたいな、そういうジュニア向けの小説でも結構いけるんじゃないかなと思うんですけど、どうですかね?
イラストとか小学生にウケそうなかわいいのにして、ふりがな振れば、お仕事小説になりそうな気がします。
実際、警察のコールセンターなんて簡単に見られるものじゃないですし。
もちろん、今の表紙絵もステキですけどね。
早乙女くんといぶき先輩、うまくいくと良いですねー。
本当におもしろかったです。
Kindle Unlimited で読みました。
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