佐藤青南さんの『お電話かわりました名探偵です リダイヤル』を読みました。
佐藤さんの小説は『お電話変わりました名探偵です』以来です。
前回読んだものの続編です。
いやー、相変わらず甘酸っぱい感じがして、ムズムズしちゃいますね。
前回同様に、早乙女くんは『爆上戦隊ブンブンジャー』の阿久瀬錠くんで想像して読みました。
今、一週間の内でブンブンジャーの時間が一番楽しみなもので。
(あとは、ワンプリと相葉マナブかなー、テレ朝ばっかり)
今回も短編集のような感じで基本的には一話完結でしたが、この1冊を通して『出せ出せ男』の正体に迫る感じの構成になっていました。
まずは『CASE1 宇宙人にさらわれた少年』。
早乙女くんは相変わらず変な電話ばっかり受けるし、事件もよく引きますねー…。
今回は本当にいぶき先輩がナイスだったと思いました。
酸欠って、結局どれぐらいの時間でなっちゃうのかわからないし、部屋の大きさとかも関係あるんでしょうけど、本当に危ない状態ですよね…。
しかも、ちょっと幻覚が出てたっていうのは…苦しかっただろうなぁと思います。
酸欠になったことないので、ちょっと想像できないし、したくないですけど。
『ポンプ室』というのは、まぁ見たことあるといえばあるんですが、今に住んでるマンションには多分ないので、どういう役割なものなのか今回初めて知ったかもしれないです。
いぶき先輩はよくそういうこと知ってますねー。
彼女にとって、この110番指令室っていうのは天職なんでしょうね。
『CASE2 撮り鉄に気をつけろ』。
昔の人で、孤独で、自分の仕事とかにそれなりに誇りを持ち、それなりに成功してきたという自負がある人ほど、まぁ今の多様性は認めづらいですよね…。
大学受験失敗してフリーターで郵便配達やってたり、衣料品店潰して何やってるかよくわからない感じの仕事やってたりする男どもに情けなさを感じてしまうのは、まぁ仕方のないことかもしれないです。
だって、妹ちゃんはちゃんとは東京の大学に進学してるわけですからね。
「年寄りだから仕方ない」って諦められなくてよかったじゃないかと思います。
「奥さんが亡くなってから意固地なのが加速した」って、自分で自覚できてるいうのは素晴らしいことだなと思いました。
少しずつでいいから直していって、またみんなで仲良く過ごせるといいなと思います。
『CASE3 おかしな訪問者』。
古今東西、居直り強盗的な話はよくあって、『ミステリと言う勿れ』でも焼肉屋さんの事件があったし、『金田一少年の事件簿』でも『殺人レストラン』という話があったなと。
ただ、強盗ではなく振り込め詐欺の受け子で、しかも自首しようとしているっていうのはなかなか斬新だなと思いました。
振り込め詐欺といえば最近読んだ『犯人に告ぐ』ですかね。
まあ振り込め詐欺の受け子の人たちが、みんなこういう感じで罪悪感を持って生きていてくれればいいんですけど、そうじゃない人がやってるんだろうなと思います。
最近読んだX(旧Twitter)の投稿で、『一人暮らしの大学生が、103万円の壁のせいで闇バイトに流れてしまう』というのを見て、なんだか悲しくなりましたしね…。
学費と家賃出してもらっていて、それ以上は親に言えなくて、でもお金足りなくて…ってことなんでしょうか。
今回のこの子はそのパターンではないですけど、この子もまぁちょっと山っ気出しすぎだったっていうところはよくなかったかもしれないです。
だからといって、そこまでガラガラと落ちていくような、そんな悪い選択ばっかりしたのかな、とも思ってしまいます。
誰しも「お金持ちになりたい」とか、そういう気持ちはあるでしょうし…。
まぁ、1回ちゃんと罪を清算して、今度は真面目に生きていって欲しいなと思います。
そして早乙女くんは、あんまり誘いに乗ってホイホイと会いに行っちゃだめだよー。
ミキさんにもいぶき先輩にも自分にも良くないですね。
『CASE4 ひき逃げ犯は誰だ』
やっぱり、いぶき先輩怒ってんじゃーん。
てかさ、警察官だから20代にはなっていると思うんですが、やってることは中学生並みの恋愛だよな…と思ってしまいますね。
まあ、かわいらしくていいですけど。
私も一応自動車の免許は持っていて、一応ゴールド免許なんですけど、もう20年以上運転していないんですよね…。
もはや怖くて運転する気になれないです。
もちろん、自分の運転技術の未熟さもあるんですが…。
今回の真犯人のドライバーみたいな人がいるから、もう怖くて運転できないなと思ってしまいます。
しかし、そういうドライバーがいるから、他の大半の真面目に交通法規を守っているドライバーが迷惑被るんですよね。
にしても、今回は3人ともが自分が犯人だと言っているっていうところがおもしろかったです。
そういうふうに、ちゃんと真面目に責任感持って運転してくれている人ばっかりだといいんですけどね…。
真犯人はひょっとしたら、他のところでもっとひどい交通事故を起こしていて、そっちを隠すためにこっちのライトな交通事故の犯人ですって言おうとしてるのかな、と考えていましたが、ちょっと違ったようです。
しかし、相変わらず電話だけで全部見抜いてしまういぶき先輩は、本当に『万里眼』ですね。
最後は『CASE5 お電話かわりました白馬の王子様です』。
思わせぶりなタイトルですが。
いやー、なんかいい感じのところに収まって良かったなと思いました。
この巻の冒頭から始まっていた『出せ出せ男』の正体が分かり、ミキさんとの曖昧な関係にも終止符が打たれました。
いぶき先輩も早乙女くんのことが好きっぽくて、よかった。
「自信がなくても正面からぶつかっていけ」というのは正論ではあるけど、みんながそれを理解していたらストーカーなんていう犯罪も起きないでしょうしね。
そういうことができない人もたくさんいるんだろうな、とは理解します。
ただ、自分が好意を持っていない男性から向けられる好意というのは、本当に怖いです。
しかもこんなふうに強引だと余計イヤですね…。
怖いわ。
無事でよかったです。
今回はいつもと違い、三者通話ボタンを早乙女くんが押すというパターンでしたが、なかなかかっこよかったですね。
ついに早乙女くんもちゃんと自分の気持ちに向き合うようになりました。
もう1巻続きがあるので、楽しませてもらおうと思っています。
Kindle Unlimited で読みました。
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