橘玲さんの『「読まなくてもいい本」の読書案内 知の最前線を5日間で探検する』を読みました。
橘さんの本は初めてです。
いやー、これほどタイトルから内容の想像がつかなかった本は、今まで読んだことがなかったかもしれません。
タイトルから想像して、例えば『作者の主張が強すぎる本は読まなくていい』とか『いわゆるタレント本は必要ない』とか『エビデンスが挙げられていない本は時間の無駄』とか、そんな内容かと思っていたんですが、まったく違いました。
まず、現代は本が多すぎる。現在までで1億3000万冊ほどの書物の存在が確認されているそうで、100年以上生きられるとしてもすべて読むことは到底できません。
なのでこの本では、『読まなくてもいい本』…というよりも読まなくてもいい『ジャンル』を決めてしまい、それをバッサリ削ることで、他の有用な本を読む時間を確保しよう、という提案がされています。ほぇー、なかなか大胆ですが、おもしろいですね。
まず、『複雑系』『進化論』『ゲーム理論』『脳科学』『功利主義』は、『現在の学問の秩序を組み替えてしまうほどの大きな潮流』すなわち『知のビッグバン』の原動力になっている分野なんだそうで、ここは読むべきだとのことです。すでに難しいな。
で、その『知のビッグバン』以前の本については読まなくてもいいと。特に『哲学者は2000年という長い間、ほとんどなんの成果も残していない』と斬りまくっています。すごい。
で、各章ではその『複雑系』『進化論』『ゲーム理論』『脳科学』『功利主義』を、1つ1つどのような分野でどんなことが研究されているか解説してくれていて、さらにその中でどの本を読めばいいのかが書かれています。1つ1つはおもしろいんですが、とにかく難しい! 十分優しく書いてくださってるんだと思うんですが、どうにもそれ以前の問題というか、自分に知識がなくてなかなか読み解けないですね…もったいない。
しかし本当に、このタイトルでこんな事が書いてある本だとは全然思っていなかったので、本当にびっくりしました。
本があるおかげでいわゆる『巨人の肩に立つ』みたいなことができるようになったのは確かなので、短い人生で効率よく成果を上げるには、やはり読むべき本を読む必要があるってことなんでしょうかね。
ただまぁ、読みたい本を読むのがいいとは思います。私は小説大好きですからねー。
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